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制作工程で磨かれた多言語対応力

英文テクニカルライティングからスタートし、多言語マニュアルを制作、お客様の現地法人から承認を得るまでの長い制作プロセス。
そこから得られたのは、地球規模で人とのつながりを実感できる業務経験だった。

英語から原稿を起こす

通常、日本語ベースでマニュアル制作をする企業が多い中、海外向けは英語から原稿作成をする珍しいお客様だった。
当初、英文は英語が堪能な日本人ライターが原稿を書いており、お客様のネイティブ社員や、開発チームのメンバーから厳しいチェックを受けながら、英文をブラッシュアップしていた。
その後、ダイテックとしての英文品質をレベルアップしようと、弊社でもネイティブスタッフを採用し、日本人ライターの英文品質向上に全力で取り組んだ。お客様からの英文に対する指摘も減少し、むしろ英語のことならダイテックに聞け、という空気感さえ漂うようになっていった。
要求される英文品質は、わかりやすく、英文表現として自然であることは当然のこと、多言語に翻訳する際に、誤訳されにくい英文をつくることも重要なポイントだった。

英語から多言語へ

多言語マニュアルの制作は、単に英文を多言語に翻訳するだけではない。
製品のLCDに表示される文字列の実機チェックや、パソコンに表示される画面ショットのキャプチャー作業も発生する。
画面ショットを撮るには、現地語OSをヴァーチャルPCに複数言語分インストールし、さらに製品のアプリケーションをインストールして、実際に操作しながら必要な画面をキャプチャーする。
すべての言語に堪能なわけではないので、仕様が頭に入っているライターにしかできない作業だ。
翻訳や画面ショット、UI文字列といった必要な素材を全て揃えて、ようやく多言語マニュアルが完成する。

お客様の現地法人の承認を得る

英語、多言語、全てのマニュアルが完成して校了ではない。
最終関門である、お客様の現地法人スタッフのチェックを受けなければならないのだ。
ここで入る指摘は、どんな些細な内容であっても、量産間際のタイミングであっても、必ず修正しなければならなかった。
すぐにチェック結果を返信してくれる担当者もいれば、忙しくてマニュアルチェックに手を付けられず、返信のない担当者もいる。
返信がないと焦る。焦りはミスを生む。実は今でも忘れられない失敗がある。
オランダの担当者とのやりとりだった。
量産間際に返信してきた担当者から「翻訳の一部がデンマーク語になっている」という指摘が来た。
今OKをもらって量産へGOでもギリギリのタイミングなのに・・・。
日本人からすれば、オランダ語もデンマーク語も酷似して見えた。
藁にもすがる思いで「ここがデンマーク語でもオランダ人ならわかりませんか?」と聞いてみた。
今思えば、よくあんなこと聞いたなと恥じ入るばかりだ。しかし、時計の針は巻き戻せない。
幸いにも次のオランダ担当者からの返信で、冷静さを取り戻した。


「じゃあ、日本人のあなたはマニュアルの一部がハングルでもわかりますか?」

モニター画面の前で、己の問うた質問の愚かさにうな垂れるしかなかった。
しかし、タイムリミットは刻一刻と迫ってくる。
まずは真摯にお詫びをし、本来ならば翻訳会社に依頼すべき修正を、事情を説明しオランダ担当者から訳文を入手した。
それを手早く修正し、もう一度オランダ担当者にデータを送る。すぐに返信がきた。


The correction looks fine.

言語に関する制作領域をフルカバー

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