社長のきもち 2024年12月
12月中旬以降、西高東低の冬型気候の日が多くなってきました。寒波の張り出しも強くなり、まさに冬将軍到来の時期になりました。北日本や北陸地方では、積雪が昨年に比べ4倍以上になっている地域もあるようです。これから年末年始に向けて平年よりも気温の低い日が多くなるとの予報が出ており、厳しい寒さはしばらく続きそうです。2025年元旦の天気も気になるところですが、太平洋側では乾燥した冬晴れになる予想で、初日の出が多くの所で拝める見込みです。
2024年も残りわずかとなりました。今年を振り返ると、パリオリンピックが開催され華やかなスポーツの祭典があった一方で、イスラエルのガザ地区では紛争により幼い子どもたちを含む多くの住民が犠牲となりました。
また2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻は未だに収束に向かう様相を示しておらず、長期化が予想されています。核保有国であるロシアにその使用を絶対にさせてはならず、交渉による平和的な早期解決を世界じゅうの人々が望んでいます。
そうした声が届いたかのように、核兵器の廃絶などを長年にわたって訴えてきた日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会の略)にノーベル平和賞が贈られ、その授賞式が日本時間の12月10日夜、ノルウェーの首都オスロで行われました。
演説を行った代表委員の田中熙巳さんは、「核兵器をなくしていくためにどうしたらいいか、世界中のみなさんで共に話し合い、求めていただきたい」と訴えました。
今回の授賞式には「高校生平和大使」も出席していましたが、若い世代もその声を受け継いで核兵器廃絶の活動をしています。広島・長崎への原爆投下から79年が過ぎ、直後の悲惨な状況を知る「語り部」たちの年齢は90歳を超えています。被爆体験のない若い世代の人たちが語り部たちから聞いた話を後世に伝えていくことは、唯一の被爆国である日本の使命でもあるように感じます。
12月5日、古来受け継がれてきた『伝統的酒造り』がユネスコの無形文化遺産への登録が決定しました。日本からの登録は今回で23件目となります。日本各地の蔵元にはそれぞれ歴史があり、長い年月の中で、各地で磨き発展させた酒造りの技によって「國酒」が造られてきました。それは、地域の祭礼や年中行事に欠かせないもので、四季折々の生活習慣や食文化に合わせて楽しまれてきました。『伝統的酒造り』は、古くは各地の杜氏(とうじ)集団によって継承されてきましたが、近年では、酒類総合研究所や公設試験研究機関などの支援を受けて技術の研鑽が続いています。
こうじ菌や酵母に代表される微生物たちが織りなす醗酵を、微生物の存在すら知る由もなかった時代に、今の時代から見ても完璧な技術を先人が培っていたことは、単なる技術に留まらず、自然と共存してきた日本の精神を反映した文化のように感じます。
今回の登録を契機に、日本酒を含めた日本独自の発酵文化がさらに注目を浴び、その文化を次の世代の人たちが受け継いでいくことを期待しています。
すっかり冬の風物詩になったイルミネーションが街に彩りと華やかさを添えています。師走らしい光景も各地で見られるようになりました。今年も残り1週間、新しい年への準備も始めたいと思います。