2020.12.25 社長

社長のきもち 2020年12月

12月に入り本格的な冬の寒さがやってきました。日本海側や山沿いの地域では先週大雪に見舞われ、2,000台以上の自動車が高速道路で立ち往生するという降雪災害も起きています。
24時間で1m以上の積雪は「かつて経験したことがない」とテレビのインタビューで地元の人が語っていましたが、昨年も今年も大雨災害が起きるたびに「かつて経験のしたことがない大雨」という言葉が聞かれました。気象の変化が猛威となって身近に降りかかる時代になったように感じています。そして今年は新型コロナの感染拡大が世界じゅうで猛威と化しています。
約100年前にスペイン風邪が全世界で流行して以来、世界規模での感染が広がるような経験を持たない中で、今回の新型コロナでは、感染が始まってからわずか10カ月あまりで約7,800万人もの感染者が確認されています。一方で日本でも来年2月からワクチン接種が医療従事者を中心に始まることが発表され、終息に向けて希望の光も出てきました。平穏な日常に戻れることを来年に期待したいと思います。

 

広島県では、前回の衆議院選挙にまつわる政治と金の問題で県全体が揺れ動いた1年になりました。コロナ感染の急拡大など広島県では暗い話題が続いた中で、東広島市安芸津町にある今田酒造本店の杜氏兼社長の今田美穂さん(59歳)が今年11月、英BBCが選ぶ「世界の人々に感動や影響を与えた今年の100人の女性」に日本人として唯一選ばれました。この100人の中には、香港大規模民主化デモ「雨傘運動」を主導した学生団体の元リーダーで民主活動家の周庭さんや、現職として世界最年少の首相となったフィンランドのサンナ・マリン首相らも含まれています。
日本酒の製造には、杜氏(とうじ)と呼ばれる酒造りの一切を取り仕切る責任者がどの酒蔵にも存在しますが、どの酒蔵も男性中心で、今田さんは伝統を引き継いで活躍する数少ない女性杜氏として紹介されています。地元テレビのインタビューでは、「酒造りは重たいものを運ぶことも多く、女性には重労働の仕事ですが、いいお酒を造りたい気持ちに男性と女性の違いはありません」と語っていました。酒瓶のラベルも自らデザインし、銘柄名に「美穂(びほ)」と自らの名前を入れて売り出すなど、話題作りにも熱心な精力的な女性です。
ここの酒蔵の主力銘柄は「富久長(ふくちょう)」という日本酒ですが、癖のない飲みやすい食中酒として地元でも人気があります。日本酒離れと日本では言われていますが、海外では日本酒の人気が年々高まっています。日本の良き酒造り文化をこれからも続けて行ってほしいと思います。

 

今日はクリスマス。気温が各地で少し上がり、夜はホワイトクリスマスになるところは少ないようです。コロナ感染の急拡大に伴い、各地でイベントの自粛が続いていますが、広島市の夜の風物詩になった市内のライトアップイベント「ひろしまドリミネーション2020」も開催期間の終了を待たずに途中で中止となりました。少し寂しさを感じる年末になりましたが、広島駅の近くではクリスマス・イルミネーションがいくつか見受けられます。来年はいつも通りの華やかさが戻ることを期待しています。

今年も残り1週間あまりとなりました。コロナ禍で今回は帰省を見合わせている方も多くいるかと思います。また年末・年始の旅行を楽しみにしていながら中止をした方もいるかと思います。来年の今頃がいつも通りの年末になっていることを信じたいと思います。 年末・年始の休暇に体と心の休息をしっかり取って来年も一緒に頑張っていきましょう! 今年1年みなさんお疲れさまでした。