2021.12.27 社長

社長のきもち 2021年12月

今年最後のブログ投稿になりました。今年一年を振り返ると、新型コロナの対応に追われた一年でしたが、1年延期となった東京オリンピック・パラリンピックも大きな混乱なく無事終了し、私たちに大きな感動を届けてくれました。世相を漢字ひと文字で表す「今年の漢字」に「金」の文字が選ばれたようですが、日本選手の金メダルラッシュが選ばれたその理由になったようです。

 

 

12月は入り少し気になるニュースが飛び込んできました。この年末年始に生乳が大量に余り、このままだと約5,000トン(牛乳パック約500万本)もの牛乳が廃棄処分になるという報道でした。なぜこれほどの大量の牛乳が余るのか不思議に感じましたが、そこには以下の理由があるようです。

 

(1)過去の“バター不足”などを背景に、消費者ニーズに応えるべく業界として生乳増産の努力を続けてきたことや、今年は夏・秋に比較的涼しかったこともあり(牛は暑さに弱い)、生産が好調なこと。

 

(2)牛乳・乳製品の消費が落ち込んでいること(コロナの影響で飲食店、カフェチェーンなどでの需要が減っていることも響いている)。

 

(3)年末年始は学校が冬休みで給食用牛乳がなく、スーパーも一部休みになるところもあり(特に三が日)、一時的に需給が緩和する要因が重なるタイミングであること。

 

この状況を政府も憂慮し、国民に牛乳の消費を呼びかけるキャンペーンを現在も実施しています。酪農業界では牛乳の生産量を抑える努力も続けていますが、牛は毎日搾乳する必要があり、搾乳を止めると乳房炎という病気になる悪影響があるとのことです。生産量を抑えることで酪農家の収入減にもつながるのはもちろんですが、日々乳牛を大事に育ててこられた酪農家の皆さんの気持ちを考えると、搾乳の廃棄処分はたいへん辛いことだと思います。

今年は食品ロスの問題も大きく取り上げられた一年でしたが、SDG’sで掲げる17の目標の中に「12. つくる責任 つかう責任」が挙げられています。世界の貧困地域で飢餓が発生している一方で、先進国では食べられる食品が大量に廃棄されているという現状があります。この牛乳の大量廃棄の問題もこの観点からも解決すべき課題になりそうです。

 

 

昨日から年末寒波が襲来し、全国的に厳しい寒さになっています。この1週間の気象予報を観ると、年末年始はこの厳しい寒さが続きそうです。また感染力が強いとされる新型コロナの変異株「オミクロン株」が日本でも拡がる気配を見せ始めています。体調管理と感染対策をしっかりと行い、元気に新年を皆さんと迎えたいと思います。