2020.08.27 社長

社長のきもち 2020年8月

最高気温が35度を超える猛暑日が各地で続いています。名古屋市では25年ぶりに猛暑日が14日連続となったほか、東京でも猛暑日の日数が11日となり、8月としては過去最高になったとのことです。熱中症への警戒はしばらく続きそうです。

 

そして今年の夏は新型コロナの影響により「特別な夏」になりました。旅行や帰省もできず、夏まつりや花火大会も今年は中止となり、子供たちにとっては夏の思い出とは程遠い夏となりました。また夏の風物詩ともいえる甲子園の高校野球も今年は中止となり、野球ファンにとっては淋しさを感じる夏となりました。
猛暑の中、マスクを着用して歩いている人の光景があたりまえとなり、「特別な夏」は我々の日常生活にも広がっています。来年の夏はこれまで通りの「普通の夏」になっていることを願うばかりです。

 

コロナ感染が全国に広がり始めた頃から、「コロナ禍」という言葉を、いろいろなメディアで目にし、耳にするようになりました。
「禍」という漢字は「災い」を意味する言葉ですが、新型コロナによってもたらされている様々なマイナスの影響(困苦)を指しています。
季節性のインフルエンザのように、ワクチンや特効薬が開発されればこれまでの日常に戻ることが可能となりそうですが、開発は主要国で進められているものの、少なくとも来年前半までは待たなければならない状況にあります。
まだまだ我慢の時が続きます。一部の上場企業では新型コロナが業績に及ぼす影響が大きく、来年3月期の業績見通しの発表ができない異例の事態が続いています。
我々の取引先においても厳しい環境が続くことが予想され、我々の事業への影響も懸念されます。今できることをしっかりと実行しながら乗り切って行きたいと思います。

 

先月30日、言語学者、評論家として長年執筆活動を続けてこられた「外山滋比古(とやま しげひこ)」氏が96歳で死去されました。
90歳になっても執筆活動への意欲は衰えることなく、執筆を始めた1970年頃から50年間で約140冊の著書を出されています。日本語や俳句などの言葉に関する著作が多かったのですが、その中で1976年に中公新書から出版された「日本語の個性」というタイトルの著書は、私が高校2年生当時に読んでいた思い出深い一冊で、今も自宅の書棚に静かに収まっています。
この本を読むことになったきっかけは、外山滋比古氏の著書が当時の大学入試の国語問題によく出題されていたことから、最初は試験対策にと思って読み始めたのですが、この本をきっかけに日本語や日本に関してより興味を持つようになり、その後も外山滋比古氏の他の著書や新書ものを好んで読むようになりました。
この「日本語の個性」は今読んでも興味深い内容で、日本語の奥深さに気付かされます。
当時この本は360円で書店に並んでいましたが、今現在は800円(税抜)で書店に並んでいます。ちなみにこの1976年当時のはがきは20円、国鉄の初乗り運賃は60円だったので、44年間で物価は2.0倍~2.5倍になっているのがわかります

インターネットが普及し、情報はパソコンやスマートフォンから入手することが多くなり、本が売れなくなった出版不況時代といわれています。 またインターネットの普及により、紙媒体の書籍から電子書籍へ市場が変化し、書籍の購入もECサイトで注文できるようになったことから、書店へ足を運ぶ機会が日本のみならず世界中で減っています。 広島市でも市内中心部の本通りにある大手書店が8月30日に閉店することになりました。今年5月には同じく市内中心部の金座街にあった大手書店も既に閉店しており、かつて賑わった書店が市内中心部からすべて消えることになりました。 買いたい本を注文するだけなら、インターネットで目的を達成することが可能ですが、書店には、店内を歩きながら本を見つける散策的な楽しみや、書店に並んでいる本を通じて世相やトレンドを知る別の楽しみがあるような気がします。 中国地方5県ではこの20年間で書店数が約44%減少したとの記事が掲載されていましたが、かつては街中のどこにでもあった「街の小さな本屋さん」を見かけることは少なくなりました。 ネットの時代にあっても古き良き書店文化が残っていくことを願っています。

 

さて今年度は人事・総務部内に研修グループを設け、社員の皆さんのビジネススキルアップを支援する体制をスタートさせました。 9月からは基礎研修コースとして社員の皆さん全員を対象に、オンライン研修の形で実施していきます。 基礎研修という名前を聞くと、中堅社員の皆さんには「今さら基礎を」という気持ちを持たれる方も多いと思いますが、車の運転と一緒で、自分は正しくできていると思っていることでも、基本動作を忘れていたり、自分流のやり方になっていることもあります。 今回の研修がダイテック社員の自己点検をする機会になることを期待しています。 仕事に限らずスポーツや芸の道でも個々の力は基礎の上から成り立っています。 何か思うことに「思い方」は必要ありませんが、何かを上達させたり、目標を達成するためには、実現するためのアプローチとなる「考え方」が必要です。そしてこの考え方の差が仕事力の差となって現れていきます。

昼間の日差しは強く、気温も高い日が続いていることから、まだまだ盛夏が続く印象ですが、上空の高いところでは秋の雲が出現し、夜は秋の始まりを告げる虫の鳴き声がが日を追うごとに大きく聞こえるようになりました。 季節はゆっくりですが秋に向かい始めています。9月に入ると現在発生している大型の台風も北上して来る予想です。影響が大きくならないこと願っています。 そしてコロナ禍の中、不安も続く9月となりそうですが、今できることを確実に実行しながら、ポストコロナを見据えて進んで行きたいと思います。