2020.11.30 社長

社長のきもち 2020年11月

乾燥した天候が続く中、新型コロナウイルスの第3波の感染拡大が各地で続いています。政府の分科会でも、個人の予防コントロールでは対処できないステージに入っているとのクリティカルな見解が発表されました。現在の状況がこのまま続けば、そうなって欲しくないところですが、緊急事態宣言の再発出もやむ無しとの意見も出されています。感染経路不明者の増加、患者の受け入れ病床の逼迫化など状況は悪化しており、これからの3週間の過ごし方が極めて大事とのコメントも政府から発表されています。人の移動や集まりが増える年末までに現在の状況が好転し、少しでも安心した気持ちで新年を迎えられることを望むばかりです。

 

さて2月以降世界中で新型コロナウイルスの対応に追われ、経済活動にも大きな支障が発生し、現在もその影響が続いています。その中でも海外からの観光客が事実上ストップしている影響で、運輸・宿泊・観光を含めたインバウンド関連産業が、昨年までの好況時にはまったく想像がつかなかった深刻な状況が続いています。海外からの観光客が見込めない中、政府は「GoToトラベルキャンペーン」による国内旅行の需要を喚起し、一定の成果が出始めていましたが、11月の感染者の増加に伴い、見直しや中止を迫られています。これまで経験のしたことのない状況に直面し、我々は政府や自治体の判断に委ねることしかできませんが、可能であれば旅行や飲食を通じて、需要の落ち込んでいる業界に少しでも力になれればと思います。

 

コロナ禍で製造メーカーを中心に生産活動の縮小が続いていましたが、9月以降は概ね生産活動が回復し、一時の不透明感からは離れつつあります。まだまだ予断を許さない国内および海外の経済情勢ですが、コロナ禍であっても継続的に取引いただいているお客様の信頼と期待に応えていくことが、我々のなすべき道と改めて感じています。11月上旬にダイテックのコーポレートサイトもリニューアルし、その中で私の思いも掲載していますが、「お客様の期待に応える会社」から「お客様の期待を超える会社」になることを今後のダイテックの目標としています。これまでの営業やプロモーション活動を通じて、ダイテックに期待を寄せていただく新たな取引先やビジネスパートナーがここ1年で多数生まれました。お客様の期待に応えることをまずは目標とし、さらに期待を超えることでお客様に感動を提供できる企業を目指していきたいと思います。

 

東京出張も見合わせを続けていましたが、11月上旬に東京本部を訪れ、来年4月に入社予定の新卒内定者1名の内定式を行いました。広島本社でもその翌週に2名の内定式を引き続き行いました。福岡事業所の内定者1名を含め、計4名の新卒社員が来年4月に入社の予定です。コロナ禍でオンライン形式での面接を余儀なくされた例年とは勝手が違う今年の採用活動でしたが、今回対面形式で無事に内定式を行うことができ、さわやかで来年が楽しみな気持ちになりました。

 

来年は延期されたオリンピックイヤーでもあります。今月8日には、新型コロナウイルス感染拡大後では五輪競技で初めてとなる体操の国際大会が東京・国立代々木競技場で開催されました。今回の大会では、「コロナを日本に持ち込ませない」「選手に感染者を出さない」を最優先命題とし、徹底したコロナ対策が敷かれました。選手団の宿泊ホテルはチームごとにフロアを貸し切り、ホテルと練習・試合会場の移動以外は外出も禁止し、滞在中は毎日PCR検査も受けるなど制約は多かったようですが、海外選手たちの理解と協力を概ね得られたとのことでした。今大会の閉会式の中で、内村選手が選手を代表して次のようなスピーチを行いました。「しょうがないことなのかもしれませんが、ウイルスが拡大して国民の皆さんの中で五輪ができないと思っている人が80%を超えていると知って残念。しょうがないけど、できないではなく、どうやったらできるかを皆さんで考えて、どうにかできるという方向に考え方を変えてほしいです。でも、これは非常に大変なことは承知の上。それでも、国民の皆さんとアスリートが同じ気持ちじゃないと大会はできないと僕は思う。どうにか、なんとかできるやり方が必ずあると思います。どうか、できないとは思わないでほしい」とストレートに胸の内を明かしました。選手と我々国民の一体感が大事という言葉に改めてその意味を考えさせられました。我々国民にとっては、延期になってもまた次回の大会があるからと割り切れても、選手にとってはその大会を目指して積み重ねてきた時間を簡単に次回の大会に持ち越すことはできません。延期することでピークが過ぎてしまう選手も出てきます。来年の開催を心から信じ、日本全体で盛り上げていくことが求められているように感じます。我々もそういう気持ちを持ち続けていきたいと思います。

 

気が付けば明日から師走に入ります。コロナ禍で季節の訪れをつい忘れがちになりますが、その訪れを待っていたかのように前庭のさざんかの花が開き始めました。さざんかは「山茶花」と漢字で書きますが、ツバキ(椿)の木の仲間になります。ツバキよりも早い10月から12月にかけて花が咲くのが特徴です。日本の童謡のたき火で「さざんか さざんか さいたみち」の歌詞が出てきますが、家の生垣でもよく見かけます。赤色や薄紫色の花のものが多いようですが、白色のさざんかの花には可憐さがあります。これから朝晩の気温も下がり、本格的な冬の季節を迎えます。体調に気を付け、1年の締めくくりにふさわしい月にしていきましょう。